こじらせ女子の末路

非倫理的社会不適合者です。

独身の老後は果たして不幸なのか。

今日独身女性のブログを拝見していたところ「結婚しておらず独身で実家くらしの自分は将来が不安だ!!!」という記載がありました。

そもそも結婚したら将来は不安ではなくなるのでしょうか?今は3組に1組が離婚する世の中です。結婚したからといってその人と死ぬまで一緒にいるとは限らない…。また結婚している方でも、旦那が借金を作ってくる…浮気性だ…アル中だ…などの問題があったりで、結婚した人がすべて安定した生活を送っているとは限らないんです。
「君が死ぬまで絶対に死なないし老後の生活も何不自由なく暮らせるよう誓約書を書くよ!」なんて旦那さんはまず現れないと思っていいでしょう。まず自分より先に死なないなんてことは到底ムリだし誓約書を書いたところで寿命はきますしねぇ。
結婚してもしなくても将来の不安はなくなりませんよ!と、私は言いたい。

そして、「独身」「老後」、と検索をかけると後に続くキーワードはとてもマイナスなものばかり。


独身者の老後がなぜそんなにもマイナスに思われているのでしょう。

私の母方の祖父は妻(私の祖母)に早くに先立たれたため、現在一人暮らしを謳歌しております。ええ、謳歌しているんです。お一人様ライフ満喫しまくりです。
子どもは2人(私の母とおじ)いますが性格が合わないため同居が不可能でした。ほぼ独身のようなものです。
祖父のことを悪くいうわけではないですが、祖父の中で家族=自分の世話をする人、といった認識であったため「自分の世話ができないのなら一緒に住む意味がない」と言って一人暮らしをされています。祖父を見て「かわいそうな老後生活だ…」などという方もいますが、祖父の生活をみると誰にも文句も言われず、好きなものを食べ好きな趣味に明け暮れ、好きな時に起きたり寝たりしている模様です。「お一人様バンザーイ!」といった具体例ですね。今年87歳になりヨボヨボしながらも楽しく毎日を送っています。

その他に親族の中で独身実家住みのおじがいます。89歳になる母親と69歳の息子で住んでいます。ロードバイクが趣味のおじは定年後も自分の趣味全開で生きております。「この歳で独り身なんてーーー」と母親に言われながらもニコニコしながら楽しそうです。

上の2人の例は今はまだ家族がいますね。ですが、この後誰もいなくなったら彼らはどうなるのでしょうか。怪我をしたり病気をしたら誰が面倒みてくれるの?なんて皆さん思うのでしょうね。

医療職である私の経験から言わせますと「最後はみなさん病院でひとりで死にます」です。病院で面倒をみられ、病院でお亡くなりになります。お金は…?ほとんど年金or生活保護費で賄える金額です。
“ひとりで”というのは少し言い過ぎかもしれませんが、まぁ一緒に死んでくれる人間などまずいませんし、家族に看取られながらお亡くなりになる方は少ないです。
若くしてお亡くなりになる方は危篤状態で家族に知らせがはいり、家族がかけつける…!といった状況になるのだと思われます。
老人病院では危篤状態で一度ご家族に連絡はいれるのですが、これといった進行性の病気がなく入院されてる方たちの最期はとてもゆっくり(心拍、血圧ともに下がっていく課程が1ヶ月かかることも)進む方、ポックリ迎える方など様々なパターンがあり、危篤状態ですぐかけつけて最期を看取ることができるなんて方は少数なのです。

また“妻(または夫)は先立ち、子どもは仕事で忙しい方”がとても多く「亡くなってから連絡ください」なんて言われることもしばしば。家族がいるからといって手を握られての映画のような感動的な死に際を迎えるなんて、私は見たことがないです。

このとおり、家族がいてもいなくても死ぬときは1人です。老後の生活も、どちらかが先に亡くなればどちらかが1人になります。安心してください、最後まで面倒をみてくれるのは病院や施設の職員です。家族ではなく。

私も人の死ぬところを沢山みるまでは、将来に漠然とした不安を抱いていた1人です。医療職についてから、家族というものの大切さも知りましたが、家族のいない方が不幸であったかというのは別の問題だということも知りました。
「ワガママ放題に生きてきて妻には離婚され子どもも音信不通だけれど、俺はこんな生き方しかできなかったのに、病院で毎日美味しくご飯が食べることができ、体の自由がきかなくなったのに風呂にもしっかり入れてもらえて万々歳だ!」
とおっしゃっていた方もいました。彼が自分の人生を後悔していたかどうかはわかりませんが、現状が良いものだと感じていることは間違いないようでした。

「独り身の老後」というキーワードは物凄いマイナスイメージを放つパワーワードだと思います。ですが幸せの尺度や感じ方は人それぞれ…「独り身の老後」が果たして本当に不幸なのかどうなのか?
不安を抱えている若者たちに私のブログを読んで今一度考えてみていただきたいなと思った次第でした。